「癒す心、治る力」アンドルー・ワイル著 自然治癒力

ワイルの本については、人間の治ろうとする力を証明するために、癌が縮退する例や、催眠療法などが紹介されているので論点がちよっとずれた紹介が多いと思うのですが、基本は、人間が本来もつ力を活性化することが病気を防ぎ、病気になっても元気にすごすために必要という、科学的な本です。

 人間の体は300兆の細胞から成り立ち、そのうち、毎秒1000万個が入れかわっている!すごい、システム。いい状態を保つために、いろいろな仕組みがビルトイン、されている。細胞分裂のレベルの異常を修正する、細胞レベルでの動き、DNA, RNA, 酵素、久しぶりに読んだ単語ですが、面白いですね。ただ、これが、循環器系、免疫系というところになると、まだ詳細にはかいていないので残念。 

いずれにしても、人間が本来もっているいい状態が崩れて自分では直せなくなってしまったのが病気の状態となるということ。彼は、理由として、1)エネルギー不足 消化だけでなく甲状腺異常などの要因もあり 2)循環不全 血液ですね。3)浅い呼吸 ”これはいままで考えたことがなかったですが、手術のときに、ずっと、体の酸素の状態をチェックされていて、たしかに、きちんと呼吸できていないとだめだ!てあらためてきづきました。4)防衛障害 私の免疫系の問題ですね。。 感染、特定物質などによる害、不健康な精神。。私は、「はしか」が決定打!だと思っているのですが。5)有害物質 6)老化 7)心理的要因 8)精神的・霊的な問題 特に、7)と8)を分けているのが面白いが、私はまだスプリッツを理解できていない。

心の問題と病気について、踏み込んでいるのもこの本の特徴。例えば、2箱タバコをすっている人がタバコをやめて大腸性潰瘍になった例なんか典型。たばこを続けさせて、ストレスマネージメントをしながら止めるということで治療している。これは、非科学的?非常に、科学的な治療に思える。ストレスをタバコをすうことでマネージしていた人が、タバコをやめたが、ストレスを抱えたままで悪化させたのでは、というのは非常に明確な論理のように思える。しかし、実際のところ、今の病院のシステムでは、このような治療法ができない。

非常にためになったのが、「自己受容」。病気と闘うのではなく、病気になった自分自身を受け入れるということ。不思議と病気になってからのほうが、私の「自己受容」が高まっているように思うのですが、、もともとは、自分にも厳しいタイプなので。あと、なるようになる、というところですかねー。

また、著者は、現代医療は、否定していない。初期の腫瘍の手術は進めている。直せる病気、治せない病気を明確に書いてます。

といことで、まだまだご紹介したいのですが、健康な方も一度読んでみてください。病気のかたはもちろん。